緩和曲線
緩和曲線は、道路の走向を単独で決める制御要素ではなく、直線や円曲線などの制御線形要素の間に置かれる接続要素です。直線の曲率は 0、円曲線の曲率は一定の 1/R であり、緩和曲線はその曲率を連続的に変化させます。
画像出典:Euler spiral.svg、Jheald、CC BY-SA 3.0。緩和曲線の幾何参考として使用しています。
平面線形を編集するときは、直線と円曲線を「方向・位置・半径を決める骨格」と考え、緩和曲線を「その骨格の間に自動生成される滑らかな接続」と考えると分かりやすくなります。骨格の配置が適切であれば、接続部も自然な走行感になります。
この 2 枚の曲率図を見ると、緩和曲線の利点が直感的に分かります。直線から円曲線へ直接接続すると、曲率は 0 から 1/R へ急に跳びます。緩和曲線を入れると、曲率は緩和区間で徐々に増加してから円曲線の曲率に達するため、操舵と横加速度の変化が滑らかになります。
A^2 = R x Lclothoid でよく使われる関係式です。A は緩和曲線パラメータ、R は円曲線半径、L は緩和曲線長を表します。実際の数値は採用する設計基準に合わせて確認してください。| 原則 | 考え方 | 満たさない場合の問題 |
|---|---|---|
| 制御線形要素は離れている必要がある | 直線と円曲線の間に緩和曲線を置く実際の長さを残し、交差・重複・接触した状態にしない | 緩和長がほぼ 0 になり、曲率が急変したり、折り返しや交差した線形が生成されたりする |
| 元の線形要素には十分な長さが必要 | 緩和曲線は隣接する直線や円曲線の一部を占用するため、生成後は元の線形要素が短くなる | 元の要素が短すぎると、緩和区間が深く入り込み、円曲線が消える、直線が短すぎる、組み合わせが崩れるなどの問題が出る |
| 接続端の方向をそろえる | 緩和曲線は前の要素から自然に出て、次の要素へ自然に入る必要がある | 角や急な折れができ、車両が瞬間的に操舵修正を求められる |
| 曲率変化は単調にする | 直線から円曲線では通常 0 から 1/R へ、円曲線同士では 2 つの曲率の間を徐々に変える | 同じ緩和区間で曲率が増減を繰り返すと、不自然な横揺れにつながる |
| 半径と長さを合わせる | 半径が小さいほど、また速度が高いほど、横加速度の変化を分散するために長い緩和区間が必要になりやすい | 緩和曲線が短すぎると、幾何的には接続できても走行感が硬くなる |
| 左右の向きを 1 本の単純な緩和曲線に混ぜない | 左曲線から右曲線へ移る場合は、反向曲線の組み合わせとして扱う | きつい S 字になり、横加速度の向きが急に反転する |
下の表では、代表的な組み合わせを対応する図の横に配置しています。青は制御円曲線または元の線形要素、マゼンタは生成された緩和接続線形です。
| 線形要素の組み合わせ | 図 | 推奨される接続 | 図解的な理解 |
|---|---|---|---|
| 直線 - 円曲線 - 直線 | — | 入口緩和曲線 + 円曲線 + 出口緩和曲線という基本的な完全曲線 | 円曲線が半径を決め、両側の緩和区間が快適性を担う |
| 直線 - 円曲線 | ![]() | 1 本の緩和曲線で接続し、曲率を 0 から 1/R へ変化させる | 直線から目標の円曲線へ、操舵を少しずつ入れていく区間 |
| 同方向円曲線 - 同方向円曲線 | ![]() | 2 つの異なる半径の間を緩和曲線で接続し、曲率を 1/R1 から 1/R2 へ変える | 曲線が徐々にきつくなる、または徐々に緩くなる複合曲線 |
| 反向円曲線 - 反向円曲線 | ![]() | S 字の反向曲線として扱い、十分な離隔を確保する。必要に応じて短い直線や長めの緩和区間を入れる | 横加速度の向きが変わるため、間隔不足が不快感の主な原因になる |
| 確認項目 | 望ましい状態 | よくある問題 |
|---|---|---|
| 幾何関係 | 制御直線と円曲線が離れており、緩和曲線に占用されても残るだけの元の長さがある | 線形要素が交差・重複・接触している、または短すぎて緩和長を確保できない |
| 曲率変化 | 曲率が明確な方向に連続して変化し、折れがない | 円曲線入口で操舵が急変する、または曲率が揺れ戻る |
| 転向方向 | 左曲線・右曲線の関係が明確で、反向曲線には十分な移行空間がある | S 字がきつすぎて横加速度の向きが急に変わる |
| 片勾配移行 | 横断勾配が緩和区間に沿って徐々に変化する | 横断勾配の変化が速すぎる、または方向が逆 |
| 走行確認 | 操舵入力が滑らかで、ヨーの変化が自然 | 高速時に横揺れ、振動、不安定が出る |


